非常食として古くから愛用されている乾パン。その堅さから、災害時やアウトドアでの利用が多いイメージがありますが、実は普段の食卓にも取り入れられる優秀な食材です。今回は、「ためしてガッテン」で紹介された乾パンを使った絶品アレンジレシピを3品ご紹介します。また、日常的に備蓄できる乾パンの保存方法や保存知識も合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
肉団子のレシピ ~カリッとふわっと!~
材料(8個分)
- 乾パン: 75g
- 豚ひき肉: 75g
- 玉ねぎ: 25g(みじん切り)
- 卵: 1個
- 水: 50ml
- 塩: 小さじ1/2
- こしょう: 少々
- 揚げ油: 適量
作り方
- まず、乾パンをビニール袋に入れて、硬いものでしっかりと砕きます。砕き方はざらざら感が残る程度がポイントです。
- 砕いた乾パンに水を加えて軽く混ぜ、約15分ほど置きふやかします。乾パンが柔らかくなることで、他の材料とよく混ざり合います。
- ふやかした乾パンに、豚ひき肉、みじん切りにした玉ねぎ、溶いた卵を加え、全体が均一になるまでしっかりとこねます。
- 塩とこしょうでシンプルに味付けをし、一口大の団子状に丸めます。形が崩れにくいよう、手のひらでしっかりと圧縮するのがコツです。
- 180℃に熱した油で、団子の表面がこんがりと色付き、カリッとするまで揚げます。中はふんわりジューシーに仕上がるのが魅力です。
出来上がった肉団子は、塩のみのシンプルな味付けながらも、肉の旨味と乾パンの香ばしさ、玉ねぎの風味がぴったりと合い、非常に満足度の高い一品に仕上がります。揚げたてはもちろん、冷凍保存しておくとお弁当や忙しい日のメニューとしても大活躍です。
おはぎのレシピ ~和と洋の絶妙な組み合わせ~
材料(12個分 ※乾パンともち米は同量)
- 乾パン: 160g
- もち米: 160g(例えば、1合分)
- 水: 80ml(炊飯用とふやかし用で分けて使用)
- お好みの具材: きなこやあんこなど
作り方
- もち米は洗って、通常の白米1合分の水(約180mlの場合もありますが、今回は目安として使用)で30分ほど浸漬させた後、炊飯器で普通に炊きます。もち米の粘りと甘味が重要です。
- 乾パンはビニール袋に入れて砕き、80mlの水を加えて軽く混ぜ合わせ15分ほど置きふやかします。ふやかし加減は、もち米と混ぜた際にちょうど馴染む程度が良いでしょう。
- 炊き上がったもち米に、ふやかした乾パンを加え、全体が均一になるようによく混ぜ合わせます。その後、さらに15分ほど置いて味をなじませます。
- 混ぜ合わせたもち米と乾パンの生地を12等分にし、丸めて形を整えます。お好みの具材、例えばきなこやあんこをまぶして、和テイストのデザートや和スナックとして完成です。
おはぎは見た目も可愛らしく、和の甘味としてはもちろん、もち米と乾パンが見事に調和することで、歯ごたえとしっとり感のバランスが楽しめます。お茶請けとしても喜ばれる一品です。お子様のおやつやティータイムに、またはホームパーティのデザートとしてもお使いいただけます。
ドーナツのレシピ ~サクッと柔らかい絶品スイーツ~
材料(10個分)
- 乾パン: 80g
- 牛乳: 100ml
- 溶き卵: 1/2個分(卵1個を事前に混ぜ、半量を使用)
- 砂糖: 大さじ1
- 揚げ油: 適量
- 仕上げ用グラニュー糖: 適量
作り方
- まず、乾パンを砕き、牛乳を加えて軽く混ぜ合わせた後、15分ほど置いてふやかします。乾パンが柔らかくなるまで待つことで、生地にしっかりと水分が移ります。
- ふやかした乾パンに溶き卵と砂糖を加え、全体が滑らかになるまでしっかりとこねます。生地がまとまりにくい場合は、クッキングペーパーの上で形を整えながら作業すると良いでしょう。
- 生地を10等分し、棒状に形を整えます。均一な太さにすることで、揚げた際の仕上がりが美しくなります。
- 180℃に温めた油で、形が整った生地の表面にしっかりと色がつくまで揚げます。外はカリっと、中はしっとりと仕上がるバランスがポイントです。
- 揚げたドーナツに仕上げとしてグラニュー糖をまぶせ、表面に甘いサクサク感と香ばしさをプラスします。
ドーナツは、普段のおやつやブランチメニューとしてもぴったりの逸品です。揚げたてはもちろん、時間が経ってもほんのり温め直すと当初の美味しさがよみがえります。クリームやフルーツソースと組み合わせてアレンジすれば、さらに楽しいスイーツタイムが演出できます。
乾パンの保存と豆知識 ~長期保存と活用術~
乾パンの魅力と基本的な保存方法
乾パンはもともと非常時に備えるための食材として開発されました。水分がほとんど含まれていないため、酸化や微生物の繁殖が抑えられ、3~5年という長い賞味期限を実現しています。これは、非常食としての信頼性だけでなく、普段の調理材料としても使いやすい理由のひとつです。
保存する際は、以下のポイントに気をつけましょう。
- 密封包装されたパッケージ:乾パンは酸化防止のため、しっかりと密封されたパッケージに入っており、開封後はしっかりと密閉容器に移し替えて保存することをおすすめします。
- 直射日光を避け、涼しい場所で保管:高温多湿は劣化の原因となるため、冷暗所での保管がベストです。
氷砂糖や金平糖が一緒に入っている理由
乾パンの缶に一緒に氷砂糖や金平糖が入っているケースもあります。これには実は2つの大きな理由があります。まず、糖分が加わることで唾液の分泌が促され、乾いた乾パンを食べやすくする効果があります。非常時など水分が不足している状況では、自身で唾液を分泌させることで口内を潤す役割を果たしてくれるのです。
もうひとつの理由は、糖分がストレス緩和に寄与する点です。災害時や非常時には、普段とは違う緊張状態が続くため、砂糖など甘いものが精神的な落ち着きを取り戻す助けになります。自宅で備蓄する際は、氷砂糖だけでなく、子供でも食べやすい小さな金平糖が入っている乾パンを用意しておくと、用途に合わせて使い分けることができるでしょう。
ローリングストックという考え方
「ローリングストック」とは、普段の生活で必要な食品をやや多めに購入し、常に賞味期限の古いものから順番に使い、使った分だけ補充していく方法です。非常食である乾パンも、日常の調理材料として使いやすい一方で、長期保存が可能なため、ローリングストックを実践することで、万が一の非常時だけでなく、普段の食事にも安心して活用できます。
具体的には、以下のような使い方が考えられます。
活用シーン | ポイント |
---|---|
朝食・軽食 | ふやかしてシリアル風にしたり、ヨーグルトに混ぜたり |
非常食 | 非常時に備えて、従来の保存食としてストック |
アウトドア | キャンプや登山時のエネルギー補給食として |
調理アレンジ | 肉団子、おはぎ、ドーナツなど、様々なレシピに変化 |
普段の献立に乾パンを取り入れるメリット
乾パンは一見、非常食やアウトドア食のイメージがありますが、実際には多彩なアレンジが可能な万能食材です。以下のようなメリットがあります。
- 短時間で調理できる:ふやかすだけで柔らかくなるため、急な来客時や忙しい朝にも役立ちます。
- コストパフォーマンスが高い:長期保存が可能なため、まとめ買いしてローリングストックすることで経済的です。
- 食感のバリエーション:乾パン特有のサクサク感と、ふやかすことで得られるしっとり感が楽しめます。これにより、料理にアクセントを加えることができます。
- アレンジの幅が広い:和風、洋風、スイーツと、様々な料理に転用できるのが魅力です。
まとめ
今回は、ためしてガッテン流の乾パンアレンジレシピとして、肉団子、おはぎ、ドーナツの3品をご紹介しました。いずれも、従来の非常食というイメージを覆す、普段使いにぴったりのアレンジレシピです。乾パンはそのまま食べるよりも、調理することで香ばしさや食感の変化が楽しめるため、家庭料理にも幅広く活用することができます。
また、乾パンの保存方法やその豆知識、さらにはローリングストックという考え方を取り入れることで、万が一の非常時だけでなく、日常生活の一部として安全・経済的に活用することが可能です。家庭の備蓄食材としての価値も非常に高い乾パン。今回ご紹介したレシピや知識を参考に、ぜひあなたの食卓に取り入れてみてください。
普段の食材としての一面だけでなく、非常時の備えとしても頼もしい乾パンだからこそ、使い方次第で毎日の料理が豊かになり、家族みんなが笑顔になれること間違いなしです。ぜひお試しあれ!